お祭り
先日実家に帰ったとき、地元の祭りに足を運んだ。たくさんのだんじりが街を練り歩き、かなり盛り上がっていた。私が住んでいた頃は、古びた小さな御輿が出てほんの少しお祭り気分を味わえる程度だったのだが、ここ10年くらいのうちに、地域の人たちが次々にだんじりを作り、これだけの規模に成長したようだ。
だんじりというものは、若い人が担ぐものらしい。だんじりの後ろには、若い女性たちがくっついて歩き、掛け声をかけながら、祭りの場を盛り上げていた。
「よいやさ、よいっとさ、よいやさ、よいっとさ」
だんじりを担ぐときの掛け声とリズムを聞いたとたん、私は高校時代のことを思い出した。
私は高校時代、隣の西条市まで通学していた。西条市は、西条祭りで有名で、祭りの時期には町中が大いに盛り上がる。私の通っていた西条高校も、夏休みを一日少なくして、祭りの日は休校になっていたくらいだ。
私が高校時代に交際していた男性は、西条市の出身だった。だから、西条祭りのときはだんじりを担ぐ。祭りの日には、女の子は特別なおしゃれをして出掛ける。そして、彼氏が担いでいるだんじりの後ろをついて回るのだ。
だんじりは重いから、お酒を飲んでないと力が出ないと彼は言っていた。普段とは違って、ちょっと男っぽい彼。今思えば、お酒の力がそうさせていたのかもしれない。
「よいやさ、よいっとさ、よいやさ、よいっとさ」
だんじりを担いでいる人たちの掛け声を聞くと、私は当時のことを思い出して懐かしくなる。そして今、私は夫のガンモと一緒にこの新しいお祭りを見ている。私の青春時代の思い出は、私だけのものなのだろうか。
お祭り(2002年秋)