宝塚初体験
「宙(そら)組のチケットがあるんだけど・・・。」と、ギター仲間のEさんからメールでお誘いをいただいた。これまで宝塚の観劇など一度も体験したことのなかった私だが、特に宙組の公演のチケットはなかなか手に入らないと聞いているし、これを機会に新しい世界に足を踏み入れてみるのも良いかもしれないと思い、「行きたい!」とすぐに返事を送った。
宝塚大劇場は、阪急宝塚南口から5分余り歩いた、宝塚ファミリーランドの敷地内にある。
少し早めに劇場近くに着くと、何十人ものファンが劇場の楽屋口の前でカメラを構えて待っていた。その熱狂ぶりは、正直なところ、宝塚初体験の私にとって、多少の戸惑いを感じるほど理解し難いものであった。
劇場の中に入ると、お土産売り場があった。また、昼食を取ったレストランには、人気スターのサービスランチも用意されていた。劇場の中がまるごと宝塚といった感じである。実際に舞台で使用された衣装も展示されていた。
男性観劇者の姿もわずかに見受けられたが、ほとんどは女性だった。20代から50代くらいまでと年齢層は広く、しかも熱心なファンが多いように思えた。
さて、いよいよお待ちかねの歌劇が始まった。何と、ステージの前のオーケストラピットのような窪んだ席があり、そこに楽器を持った人たちがスタンバイしていたのだった。歌劇で流れる音楽は録音ではなく、すべて彼らによる生演奏だったのだ。
タカラジェンヌたちが身にまとっている高価な衣装は、きらきらと輝いていて、とてもまぶしかった。私は初めての観劇で役者さんの顔もわからなかったので、衣装を頼りにタカラジェンヌを見分けようと思っていたのだが、場面が変わると別の美しい衣装に着替えられたりして、だんだんわからなくなってしまった。また、登場人物の多さに途中でついて行けなくなってしまい、残念なことに、ストーリーも半分くらいしか理解できなかったのだ。
歌劇のあとは、ダンスショーが行われ、またまた美しい衣装をまとったタカラジェンヌたちが私たちの前で踊りを披露してくれた。13:00に開演し、16:00に終演。これだけ豪華なステージを見せてもらえて7,500円というのは、かなりお得なのではないだろうか。
興奮も冷めやらぬままグッズ売り場に向かい、ブロマイドなどを見て会場を後にしようとすると、またしてもたくさんのファンが楽屋口の前で並んで待っていた。しばらく様子をうかがっていると、すべてのファンが楽屋口から出て来た、お目当てのタカラジェンヌに近づくわけではなく、ファンの中で何かしら役割が決まっているかのように見えた。それは、私が今までに想像・体験した楽屋待ちとはまったく異なるものだった。相手が女性だからこそ、デリケートな関係を保っているのかもしれない。
Eさんのおかげで、これまで体験したことのなかった新しい世界を垣間見ることができたわけだが、宝塚という世界に関してはまだまだわからない部分がたくさんある。一番の謎は、どうして女性ファンが女性であるタカラジェンヌに対してあれだけの情熱を注げるということである。次回、ここに足を運ぶ頃までには、この謎が少しは解けているだろうか。