中村うどん訪問記
「辺境・近境」の中で紹介されている中村うどんは、夫のガンモの実家から車でおよそ10分くらいのところにある。実家に帰る度に中村うどんに行ってみたいという気持ちがつのっていたのだが、なかなか時間が取れず、実現させることが難しかった。しかし、ようやくそのチャンスが巡って来たのだ。
中村うどんは、村上春樹さんの「辺境・近境」で紹介されたことに限らず、うどん通のガイドブックにも載っているほど、有名なお店らしい。しかし、その場所は、非常にわかりにくいところにある。看板も出ていないので、よほどその土地に詳しくないと、自力で辿り着くのは困難であろう。
私は夫のガンモの案内でようやく中村うどんに辿り着くことができた。看板など出ていないので、こうして辿り着くことができたのはほとんど奇跡的と言ってもいいかもしれない。時刻は平日の午後2時過ぎだった。「なかむらうどん臨時駐車場」という看板を見つけたのだ。ここが幻の中村うどんの駐車場かと思うと、うれしさで胸が踊った。
そこには一台の車が停車していた。私たちが車から降りて中村うどんを探そうとしていると、その車に乗っていた人が私たちに向かってこう言った。「今日は終わりなんやて。」香川の言葉ではなかった。ナンバープレートも、関西方面のものだったと記憶している。私たちはわけがわからず、中村うどんの平日の営業時間は午後4時半までのはずだから、まだ大丈夫だと思い、そこから近いであろう中村うどんを探して歩いた。
しかし、看板も出ていな状況で、納屋を改造して造っているという中村うどんをなかなか特定することはできない。インターネットで調べた中村うどんの写真を頼りに、もしかしたらここなのか? と思うところがあり、様子をうかがっていると、女性が私たちに向かって×マークのポーズを取った。どうやら、「今日はもう終わり」ということらしい。おそらく、その日の朝に仕込んだ玉をすべて消化してしまったのだろう。せっかくここまで来たのに本当に残念だった。それでも、場所を確認できただけでも良かったのかもしれない。それにしてもあのような場所が中村うどんだったとは・・・。
